研究課題/領域番号 |
16K03101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
山口 正晃 大手前大学, 総合文化学部, 准教授 (60747947)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 敦煌文献 / 真贋問題 / 李盛鐸 / 収蔵印 / 偽印 / 敦煌文献早期流出品 / 日本伝来古写経 / 目録情報の再整理 / 分散経緯 / 真贋判定 / 東洋史 / 敦煌学 / 中国史 / 写本研究 |
研究成果の概要 |
本研究においては、敦煌文献がもつ学術研究上の潜在力に対して大きな制約を加えている「贋作」の問題に対して、その真贋を見極める一つの方法として、初期流出品が市場に流通した経緯・事情に焦点を当てて、具体的な事例を蓄積するための作業を行った。当初予定していた、羅振玉の旧蔵書に関してはほとんど新たな知見は得られなかった。しかし、初期流出品としては羅氏旧蔵書より一般的に知名度が高いと言ってよいであろう、李盛鐸の旧蔵コレクションについて、幾ばくかの成果を得た。李盛鐸の収蔵印には偽印があるが、この偽印を使用していた人物(集団?)は、贋作・真作ともにこの偽印を捺して市場に流通させていたらしい、ということである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
贋作の存在は、学術・研究の信頼性を根底から揺るがす極めて深刻な問題である。本研究で明らかにしたことは真贋問題という巨大な氷山におけるほんの一角にすぎない。しかし、ほんのわずかであっても、これは前進の半歩、一歩である。具体的には、李盛鐸の収蔵印を押印した敦煌文献が数点、ある時期に「まとまった」形で市場に流通した痕跡を見出だした。つまり、この「まとまり」は同一人物(集団)により作製・捺印されたと思しい。重要なのは、この中には贋作に偽印を捺した例もあれば、真作に偽印を捺した例もある、ということである。こうした具体的な事例を積み上げることによって、今後より一層真贋問題の真相に迫ることができるであろう。
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