研究課題/領域番号 |
16K03108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
伊東 剛史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (10611080)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イギリス / 動物福祉 / 動物の権利 / 生体解剖論争 / 都市 / 動物観 / イギリス史 / 文化史 / 社会史 / 動物倫理 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
研究成果の概要 |
本研究は、19世紀から20世紀初頭のイギリスにおける動物福祉の展開を再考し、その新たな歴史像を探求した。具体的には、1)動物を資源として活用する社会基盤が整備される一方、動物倫理が議会政治の課題として浮上したこと、2)これを受けて、功利主義的原則に基づく動物処遇の法制度が確立したこと、3)この一連の過程において、国家、市場、チャリティの間の複合的な関係が結ばれ、動物福祉の制度と理念が構築されたことを、明らかにした。以上3つの論点から、動物福祉の歴史的展開を再検討し、近代イギリスの「人間と動物の関係史」を俯瞰する視座を構築することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物福祉の歴史に関する従来の研究は、個別事例の分析に終始するものが多く、個々の発見を統合するための視座を欠いていた。これに対して本研究は、動物福祉の中長期的な展開を理解するための、総合的な歴史像を描くことができたと考える。動物倫理に関する諸問題が社会の広範囲に影響を及ぼすには、動物の救済を目的とする様々な社会的実践だけでなく、それらの実践を動物福祉として規範化する制度を必要とした。さらに、そうした制度の構築は、「動物の権利」という普遍性を纏った理念の創出をともなう。この一連の歴史的ダイナミズムを解明することで、今日の動物福祉問題を考察するための、学術的検証に耐えうる視座を提供することができた。
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