研究課題/領域番号 |
16K03122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
師尾 晶子 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10296329)
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研究協力者 |
竹内 一博
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リキア / 小アジア / 建国神話 / 縁起譚 / ローカルヒストリー / ヘレニズム / アイデンティティ / 国際研究者交流 / 古代地中海世界 / アケメネス朝ペルシア / アテナイ帝国 / 碑文文化 / ローカル・ヒストリー / 古代地中海史 / 東地中海史 / ギリシア文化 / 文化交錯 / 文化変容 / 歴史叙述 / 土着性 / 文化交流 / 境界域 / 西洋古代史 / ギリシア |
研究成果の概要 |
本研究は、小アジアの諸地域が、周辺諸文明との接触によりどのように独自の文化を展開したかについて、リキアを事例に考察した。(1)前5世紀来のリキアの碑文文化には、アケメネス朝とアテナイ帝国双方からの影響が認められた。リキアの小王国が、ギリシア文化との接触を通じて、ギリシアの碑文文化を表面的に受容しつつ、アケメネス朝の支配理念を表現していたことは、東地中海における文化形成の過程を考察する上でも興味深い。(2)ヘレニズム・ローマ時代のリキア諸都市は、建国神話を利用し、再構成することで競合関係を表現してきた。建国神話は諸都市の力関係と同盟関係を示す一方、そこから抜け落ちた都市との対立関係も暗示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アケメネス朝の支配下にあったリキアが、碑文文化の受容において、アケメネス朝のスタイル以上にデロス同盟の影響を受けていた可能性のあることを明らかにしたことは、アケメネス朝とデロス同盟との相互関係を考察する上でも重要な視点となり得る。とくに、ギリシア側の視点から語られてきたデロス同盟の構造の見直しにおいて有効な視覚を示すと言える。 地中海世界の建国神話について、建国神話が政治の場で語られる契機、建国神話が作り替えられる契機について、リキアの一事例について明らかにしたが、今後、地中海世界全域について考察していくことで、神話と歴史という大きな枠組みで、日本も含めた比較研究が可能になる。
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