研究課題/領域番号 |
16K03128
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
三佐川 亮宏 東海大学, 文学部, 教授 (20239213)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 紀元千年 / オットー3世 / 皇帝権 / ローマ帝国 / 終末論 |
研究成果の概要 |
本研究では、(1)皇帝オットー3世(980-1002年)の「ローマ帝国の改新」政策と(2)紀元千年前後の時期における終末論の高揚、という2つの問題について、長らく議論されてきた双方の相互影響関係の解明を対象とした。成果としては、①オットーが996年の皇帝戴冠以降に試みた「ローマ帝国の改新」という政治的構想の背後に「終末論」の思想的影響を読み取ることは可能である。ただし、19世紀以降喧伝されてきた「紀元千年の恐怖」なるものは、あくまでも近代の研究者によって構築された「神話」であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴は、EUの成立を背景とする超国家的性格の普遍的形象への再評価という新たな動向を踏まえつつ、「紀元千年」のヨーロッパについて、政治史およびキリスト教的救済史の観点から初めて総合的に考察したことにある。これまで我が国の研究では、問題の重要性は認識されつつも、異なる分野の主題として扱われるのが実情であった。しかし、世俗的と理解されてきた「政治」と救済史上の終末論・黙示論という「宗教」の密接不可分な関係を明らかにすることで、一個の歴史的世界としての「ヨーロッパ」の理念的地平に新たな認識の可能性を切り拓き、旧来の政治史中心に理解された歴史像を相対化したことに本研究の意義が存する。
|