研究課題/領域番号 |
16K03130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 道也 東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中世フランス / 歴史叙述 / 政治文化 / 百科全書 / 学知 / ヴァンサン=ド=ボーヴェ / 王権 / 叙述史料 / アレクサンドロス大王 / ヴァンサン=ド=ボーヴェ / 知識人 / 大学 / 俗語 / 学権 / フランス / 中世史 / 西洋史 / 中世ヨーロッパ |
研究成果の概要 |
本研究は、中世後期(13-15世紀)フランス王国における政治文化の解明を通じて、近代国家生成過程における知と権力の関係を問い直すことが目的である。具体的には、統治観や国家観にかかわる種々の言語的・非言語的表象を分析の対象とし、制作に携わった知的エリートと諸権力体との往還的関係に着目することで、世俗化する知と権力の結託あるいは対抗の諸相を明らかにすることを目指した。結果として、中世後期フランスにおける知識人たちの思想的基盤には前キリスト教的な伝統がキリスト教的な改編を伴わずに存在し、その統治観や国家観が同時代のユーラシア世界を参照系に修正されてキリスト教世界に移入されていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
13世紀ヨーロッパにおける国家的凝集性の高まりは後の近代国家を準備するものであり、主権概念の理論的成立や代表制の制度的展開についてはすでに多くの研究が蓄積されている。しかしこれらを下支えする政治的合意がいかにして形成されたのか、教会勢力を含む諸権力間の「対話=dialogue」、すなわち政治的コミュニケーションの問題について十分な分析が行われているとはいえない。この「対話」の場に、前キリスト教的な伝統がキリスト教的な改編を伴わずに存在していること、またさらにそれが同時代のユーラシア世界を参照系に修正されて政治エリートの統治観や国家観に反映していることが明らかになった。
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