研究課題/領域番号 |
16K03131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 育子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (80459940)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 人の移動 / ネットワーク / アイデンティティ / 交易活動 / 文化変容 / 文化接触 / 物質文化 / 神話伝承 / 他者 / 建国神話 / ギリシア的教養 / エリッサ / ビュブロスのフィロン / ヘロドトス / ホメロス / フェニキア語 / 海外発展 / 衛星画像 / 地形データ / 民族 / ナショナリズム / 伝承 / 考古学的遺物 / 大西洋沿岸部 / 河川交易 / 先住民社会 / 文字 / 古代地中海世界 / 宗教的発展 / 宗教的変容 / 図像表現 / トフェト / フェニキア / カルタゴ / 文化的連続性 / 文化的相違性 / 文化的存続性 / 聖域 / 女神 / 地中海 |
研究成果の概要 |
フェニキア人の移動がもたらす文化変容を、①先住民の文化との連続性、②フェニキア文化とカルタゴ(ポエニ)文化の相違性、③ヘレニズム期からローマ期にかけての文化の存続性という側面から考察した。それは、フェニキア人のアイデンティティの形成や発展に関わるさまざまな問題とも関連することを指摘できた。 また、フェニキア・カルタゴ文化の発展と変容という観点から、特に東西の女神崇拝に着目した。信仰が西方へと伝播するにつれて、西地中海域で主に崇拝の対象となったタニトが本土のアシュタルテを凌駕し、次第に汎地中海的属性を備える女神へと変容していく過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、古代地中海世界史の枠組みを、従来の伝統的なギリシア・ローマ史の視点からではなく、これまでわが国では顧みられることのなかったフェニキア・カルタゴ史の視点から問い直し、主に文化的・宗教面での再構成を試みたものである。これは、西洋古代史におけるフェニキア人の果たした役割を再評価し、古代地中海世界の形成に大きなインパクトを与えるものでもある。 毎年年度末に開催した公開報告会では、他の専門分野の研究者とも学際的な交流を構築でき、かつ広く内外に周知することで、研究成果の一端を専門家のみならず広く社会に還元できたことは大きな収穫であったと言える。
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