研究課題/領域番号 |
16K03143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
穐山 洋子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (10594236)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ナショナル・マイノリティ / マイノリティの排除 / 移動型民族 / イェーニシェ / 子どもの強制保護 / 子どもの福祉 / 市民社会 / 福祉政策 / 市民的規範 / 西洋史 |
研究成果の概要 |
本研究はスイスの青少年福祉財団の「街道の子どもたちのための奉仕活動」により1926年から1973年まで約600人のイェーニシェ(移動型民族)の子どもが、親から強制的に保護され、里親や施設で養育され、定住生活への矯正が行われた事例を対象に、その社会的・思想的背景とそれを市民社会が容認し、長期間看過した要因を歴史学的に考察した。 その結果、本事業によりイェーニシェの否定的なイメージが固定化され、一般社会に広まったこと、また、他の子どもの福祉事業(貧困家庭や片親の子どもや婚外子等)との類似性があることが明らかになった。それらが1970年代までスイス市民社会が本事業を容認した主な背景と要因である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本件研究の独創性は、これまで実態解明を中心に行われてきたスイスの移動型民族の社会的排除の歴史をその背景にある論理や社会情勢に関連付けて研究する点である。本研究を通じて、少数派の社会的排除がどのような論理において、いかなる社会情勢において行われるのか、また市民社会がそれを無批判に受け入れた背景と要因が明らかになった。これにより、グローバル化や多様性が進む現代世界における少数派問題の背景に関して一つの視点を与えることができた。
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