研究課題/領域番号 |
16K03155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 照彦 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10249906)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 手工業生産 / 須恵器 / 瓦 / 緑釉陶器 / 考古学 / 文献史学 / 分析化学 / 篠窯跡群 / 自然科学的分析 / 窯構造 / 古地磁気学 / 日本古代 / 窯業生産 |
研究成果の概要 |
本研究では、日本古代から中世への移行期として10世紀末から11世紀初め頃を主な対象に、窯業生産の基礎研究に取り組んだ。とりわけ、平安時代の一大窯業生産地として知られる京都府亀岡市の篠窯跡群のうち、須恵器・緑釉陶器・瓦を併焼した瓦陶兼業の西山1号窯に重点を置き、新たな研究手法や視点を含めて、製品の形態や技術の検討やそれらと窯の遺構との関連などについて考古学的分析を試みるとともに、新規の理化学的な分析成果も踏まえて、その生産の全容をほぼ解明できた。さらに他の考古資料や文献史学からの研究整理も加味して、当該期を日本の古代から中世への大きな転換への起点として歴史的に位置づけうることを導いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本古代には須恵器生産が全国各地で展開する一方で、中世以降は生産地が特定地域に絞られ、生産内容も特産品化していくが、丹波の篠窯では10世紀末に鉢の集中生産という中世的変化を解明できた。瓦生産でも、11世紀後半に各地で瓦陶兼業の形の生産が開始するが、その萌芽が10世紀末頃の篠窯で確認できた。これらの結果、時代の画期として、考古学においてこれまで注目の薄い10世紀末頃に焦点を当てる必要性がより高まった。 また、本研究と連携を取りつつ、陶芸家や地域住民の協力のもと、当該期の構造の窯を復元して焼成実験を試みており、地元の歴史認識を高め、地域の魅力の発信や社会教育にも結び付けることができた。
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