研究課題/領域番号 |
16K03209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 南山大学 (2019) 宮崎産業経営大学 (2016-2018) |
研究代表者 |
福本 拓 南山大学, 人文学部, 准教授 (50456810)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 在日朝鮮人 / 日系南米人 / 人権 / 多文化共生 / エスニック境界 / 国際分業 / 地域 / 労働組合 / 日韓連帯運動 / 新国際分業 / 全金枚岡闘争 / 大阪 / 労働運動 / 都市社会地理学 / 社会運動 / 連帯 |
研究成果の概要 |
本研究では,在日朝鮮人と日系南米人の集住地区を事例に,「人権」「多文化共生」という概念が地域の具体的文脈から生成される過程と,その促進/阻害要因の解明に取り組んだ。前者について,「全金枚岡闘争」の事例から,国際分業に伴う地域変容の下,労働者としての「人権」概念が日韓間で共有される経緯を明らかにした。さらに,政治犯救援運動が加わることで,身近な地域の問題としての在日朝鮮人の存在と植民地主義の現在性への気付きが生じていた。後者については,過去10年間に生活習慣上の軋轢解消に進展はあったが,地域内での両者の接触は少ないままで,「多文化共生」概念が未だ外部から導入された理念にとどまることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本社会の多文化化が進む中で,「人権」「多文化共生」を実効ある概念として確立していくためには,それらが彫琢される具体的過程への注目が重要である。「全金枚岡闘争」の事例からは,日韓間の「労働者」としての「人権」概念の共有をベースに,植民地主義の現在性への理解が不可欠であることへの気付きが生じていた。片や,日系南米人の事例からは,地域スケールで日本人との接触は依然進まず,「多文化共生」概念の定着には至っていないことが示された。暗黙の前提とされる概念の形成が,地域の具体的文脈と不可分であるという知見は,今後の多文化化への向き合い方を考える上で学術的・社会的意義のある成果といえる。
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