研究課題/領域番号 |
16K03215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
和田 健 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (20292485)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生活改善指導 / 民俗慣行 / 農山漁村経済更生運動 / 官製運動 / 通俗教育 / 通過儀礼 / 陋習 / 生活改善 / 民俗 / 美風 / 生活改善運動 / 衛生思想 / 思想の善導 / 民俗学 |
研究成果の概要 |
本研究は、農山漁村経済更生運動および生活改善運動が行った生活改善事項のあり方について検討を行った。1930年代における国家による民俗慣行への介在について、その実態を明らかにして検討を行った。それにより集落のなかで率先して生活改善に取り組んでいる例では、規約による明文化と近隣のつきあいによる相互扶助を徹底させて、生活改善を実行する傾向が強いことが明らかになった。また通過儀礼の民俗慣行については、陋習と見なす事例を具体的に示し、廃止にすべきであるという指導を行っている。また衣食住や衛生の改善に取り組む例も多く、婦人服や児童服の普及そして便所の改善も進められていた実態が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、国家による民俗慣行への緩やかな介在の実態について明らかにすることができた。成果について整理すると以下の2点にまとめられる。ひとつは、冠婚葬祭に関わる通過儀礼について、非合理的とされる生活習俗については「陋習」と否定し、その廃止を徹底させる指導をしている。しかしその指導は強圧的なものではなく村や組による相互監視のなかで確守を迫る手法を明らかにできた。もうひとつは、このような生活改善指導により作られた民俗慣行が現在にも伝承されている例が多いことが明らかになったところにある。戦時体制下直前にあたる1930年代が、民俗変容を考える上で重要な時代であることが明らかになった。
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