研究課題/領域番号 |
16K03227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
田沼 幸子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00437310)
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研究協力者 |
Valdivia Ibis Marlene Álvarez
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 人類学 / 子育て / 教育 / ナショナリズム / 革命 / ネオリベラリズム / 移民 / ディアスポラ / キューバ / スペイン / カタルーニャ / バルセロナ / 地域ナショナリズム / キューバ人 / 新自由主義 / グローバリズム / ダブルバインド |
研究成果の概要 |
期間中、毎年1ヶ月間の継続調査を行った。スペインでは3歳になるとほとんどの子供がP3(ぺ・トレス)と呼ばれる就学前教育機関に通う。カタルーニャ州ではバイリンガル教育を目玉とする私立校以外、共通語としてカタルーニャ語が使用される。このことはカスティーリャ語で育ち、育ててきたキューバ人にとって不満の種だった。しかし通学が始まると、子供たちは難なく学校と家の言葉を使い分けるようになり、この点の不満は後退する。一方、不満と不安は、本国の保育園や自宅で認められていた子供らしさが早くも抑圧されることと地域ナショナリズムとそれへの反感が存在し、寛容性が失われつつあることであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スペインにおける、外国にルーツを持つ人々とその子供たちについては、従来、異なる言語や宗教、見た目が大きく異なり、「他者」と見なされる人々の研究が中心となってきた。これに対し本研究が扱うキューバ人はスペイン人(カタルーニャ人)との違いが顕在化せず、子供たちも言語や習慣に順応している。聞き取りに寄れば彼らの本国からの出国の主要因は、政治制度や生き方の多様性に対する非寛容性だったことが明らかになった。カタルーニャの地域ナショナリズムを危惧してきたキューバ人の不安は、長らくフランコ独裁への反省から抑制されていたものの、多様性の寛容性が低下し2019年の極右政党の台頭を予見していたと言える。
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