研究課題/領域番号 |
16K03230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
加藤 恵津子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10348873)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アジア / 英語圏 / 若者 / 日本 / シンガポール / アジア主義 / 自己 / 世界観 / アジア(人) / 英語圏アジア / 英語圏西洋 / 移動 / 複数形のアジア主義(Asianisms) / 日本人 / グローバル化 / 仕事 / 仕事=自分探し / 方法としてのアジア / アジア太平洋 / アジア人 / グローバル人材 / 自己観 / 人生観 |
研究成果の概要 |
英語圏アジアの代表国シンガポールで、20~40代前半の日本人一時滞在者41名、シンガポール人22人にインタビューを行い、その「アジア」観の比較を行った。日本人はシンガポールで「アジア」と「アジア人としての自己」に初めて出会い、「日本VS西洋」の二項対立を脱する世界観を得たと自己肯定的に語る。対してシンガポール人は、「アジア」というカテゴリーにほぼ何の意味も見出さず、むしろ政府主導の言説として警戒・揶揄する。日本の若者にとって「アジア」は、想像上の連帯感と、西洋を相対化する視点を与えるものだが、その西洋志向がなくなるわけではなく、「アジア人」は一時的にカスタマイズされたカテゴリーと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グローバリゼーションが叫ばれるも変化の少ない日本社会において、若者の外向き志向は貴重な現象である。また新しい世界観の獲得は、個人の人生を豊かにする上で重要である。本研究は、英語圏西洋で挫折し、英語圏アジアに移動した個々の日本人にとって、「アジア」との出会いが持つ意味をミクロな視点から調査すると同時に、英語圏アジアの先進国シンガポールから日本社会が学べるものをマクロな視点から調査し、日本社会の「外向き志向」を支える。また「アジア」を、言説上・想像上のものとして扱う「アジア主義研究」を進めつつ、植民地主義的態度を克服するためにも、「アジア」概念を慎重かつ積極的に利用することの重要性を主張する。
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