研究課題/領域番号 |
16K03235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
西村 一之 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70328889)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 漁民 / 移動 / アジア / 中国 / インドネシア / 水際 / 台湾 / 中国福建 / 漁業 / 移動・移民 / 文化人類学 / 越境 |
研究成果の概要 |
本研究は、高い経済成長を背景にグローバルな人的移動が展開するアジア海域を対象とする人類学的研究である。具体的には、漁業出稼ぎ者と台湾漁民および周辺住民を対象に、インタビューと参与観察による人類学的臨地調査を実施した。この時、漁港そして漁船を「水際空間」とおいて分析の対象とした。水際空間の中で繰り返される漁民の移動が、民族、宗教、経済、政治的に多様な境界を生み出し、その境界は政治経済状況や民族集団関係によって様態が変化することを民族誌的資料を基に明らかにした。この複数からなる台湾漁民社会は、グローバリゼーションが高度に進む現代社会で求められる、多様な価値観が錯綜する日常を表している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1990 年代以降、台湾外から訪れる漁業出稼ぎ労働者は、すでに「例外」的な住民として地域社会で認知されており、彼らがいない漁業地の姿はあり得ない。複数の民族集団からなる日常が展開する新しい社会のあり方を移動する主体に接近して考察した。水際空間には、漁業に従事する漁民とその周辺の人々が暮らす日常が展開する本研究は、水際空間で展開する所与とされる枠組みや境界が、ある時は明示強調されある時は不明瞭にそして柔軟になる様を、人々の生活実践の中から明らかとした。これは、異なる隣人との日常を生きる上で必要となる、新しい社会観の構築に発展する人類学的研究と位置づけられる。
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