研究課題/領域番号 |
16K03323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真山 全 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (80190560)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 国際法 / 国際人道法 / 武力紛争法 / 海洋法 / 付随的損害 / 放射能汚染 / 原子力潜水艦 / 原子力発電所 / 海戦法規 / 中立法規 / 環境法 / 原子力事故 / 東シナ海 / 海上中立法 / 原子力発電所への攻撃 / 海戦 |
研究成果の概要 |
武力紛争法(国際人道法)は、軍事目標攻撃に際し、文民民用物に付随的損害が発生しても、それが目標破壊から得られる利益に比し過度でなければよいとする。付随的損害は、文民民用物殺傷破壊を許容する実質的に唯一の武力紛争法規則であるにも係わらず付随的損害概念は明確ではなかった。例えば攻撃手段が目標周辺民用物にも影響する場合のみをいうか、目標破壊の際に目標内に蓄えられていた力の放出で周辺民用物に生じる被害も含むかすら明確でなかった。 本研究は、原子力推進軍艦の撃沈による放射能汚染発生を例に、付随的損害概念を理論的に検討し、過度でなければ受忍すべき付随的損害とそうではない損害の区分を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
武力紛争時の付随的損害がどの範囲で合法とされるかは、被害国の加害国に対する国際責任追及に際し重要問題となる。しかるにそもそも何が武力紛争法上の付随的損害かすら明確ではなかった。これは日本についても深刻な問題となりうる。例えば、周辺海域で米中が交戦し、一の原子力潜水艦が撃沈され南西諸島に放射能汚染が広がった場合に、汚染は付随的損害として一定の範囲で受忍すべきか、それとも均衡性原則が支配する付随的損害とは観念されないのか問題になる。 本研究では、これを否定的に解し、日本は米中どちらにも賠償請求が出来ないという結論を得た。こうした事態が実際に発生することを想定して対応を検討しておくべきであろう。
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