研究課題/領域番号 |
16K03324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
玉田 大 神戸大学, 法学研究科, 教授 (60362563)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 国際司法裁判所 / 管轄権 / 客観訴訟 / 訴えの利益 / 当事者適格 / 原告適格 / 捕鯨事件 / 対世的義務 / 国際裁判 / UNCLOS / 紛争解決 / 受理可能性 / 既判力原則 / 判例 |
研究成果の概要 |
近年の国際司法裁判所の判例を分析した結果、国家自身の権利侵害ではなく、対世的義務違反に依拠した原告適格を認める新傾向が明らかになった。一言で言えば、国際司法裁判所において「客観訴訟」が認められているということができる。ただし、一見すると大転換に見えるこの新傾向に関しては、伝統的な判例を分析した結果、かなり古い判例(1920年代)から既にその萌芽がみられることが確認された。すなわち、明白なものではないものの、従来から客観訴訟の可能性自体は認められていたと考えられる。他方、最近の判例では、客観訴訟の可能性を制約するものも見られるようになっており、今後も議論が継続するものと思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際司法裁判所における客観訴訟の可能性は、今後の日本の国際訴訟戦略を考える上で極めて重要である。第1に、対世的義務違反を根拠として、自国(日本)が直接的に権利侵害を被っていない場合であっても、他国を提訴する可能性が生まれる。第2に、客観訴訟の可能性は、日本が被告として訴えられる可能性をも広げる。既に研究において明らかにしたように、捕鯨事件(2014年判決)は客観訴訟の一形態であり、日本は被告として客観訴訟を経験済である。加えて、例えば沖ノ鳥島を巡る権原紛争に関しては、国際社会の全ての国に拘わる問題であるという構成が可能であり、客観訴訟が提起される危険が否定できない。
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