研究課題/領域番号 |
16K03368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野澤 充 九州大学, 法学研究院, 教授 (70386811)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 刑法 / 業務妨害罪 / 公共の平穏 / 社会法益 / 刑事法制史 / 刑事立法 / 刑事法学 / 業務妨害 / 立法論 |
研究成果の概要 |
ドイツ刑法典各則第7章の「公共の秩序に対する犯罪行為」の犯罪類型について、その意義を分析・検討した結果、当該第7章が特殊な経緯で規定されたものであること、および1976年の改正で、その中の126条の「犯罪の脅迫による公共の平穏の妨害」罪がそれまでの文言に比べてより具体化・明確化された文言に変更されたことが明らかとなった。 またこのような「単純な公共の平穏を害する行為」に対して、日本では「業務妨害罪」を歯止めなく運用しようとする傾向があり、これが罪刑法定主義違反の問題をもつものであって、まさに上述のドイツのような規定の新たな刑事立法の必要性があることも明らかにすることとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では「単純な公共の平穏を害する行為」を直接に処罰する規定がなく、そのような行為を「業務妨害罪」の無理やりな解釈論によって対処しようとする状況が見られる。本研究により処罰規定のそのような運用の問題点を示すことで、一般的には「解釈論の限界」を理論的に示すと同時に、また当該行為態様に対する新たな処罰規定の必要性およびそのあり方を示すことで、「(刑事)立法論の必要性の明確化」をも理論的に示すことを可能にした。これは新たな事例が現れるたびにケースバイケースに行われがちな刑事立法に、理論的一貫性を与えるものといえ、その将来的な学術的・社会的意義は計り知れないものといえる。
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