研究課題/領域番号 |
16K03369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
澁谷 洋平 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (20380991)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 秘密保護 / 守秘義務 / イギリス法 / 刑事法学 |
研究成果の概要 |
本研究では、イギリスにおける医師の守秘義務に関する法的規制の現状について、法源と法的効果、保護対象となる秘密の意義・内容、守秘義務の射程範囲と限界を中心に調査・分析を行った。 そして、医師と患者との信頼関係と右義務の履行による公共的利益の実現を基盤とし、エクイティやコモン・ロー上の不法行為など、損害賠償を効果とする民事法が大多数であること、保護対象となる秘密は利用価値のある個人的情報を幅広く含むと解されていること、患者の同意がある場合や機密性が失われた場合のほか、各制定法により第三者提供が許容されているものの、その根拠及び限界、利益衡量の方法などの困難な課題が存在していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、コモン・ローをベースとしつつ各種の制定法の制定・改正によって常に制度の改変が続くイギリスの「現在の姿」を明確に描き出し、守秘義務違反に対して刑事法でなく民事法その他のソフトな規範が中心となっていること、医師の守秘義務について倫理的義務をベースとした議論がなされていること、民事判例ではあるものの、患者の秘密の第三者提供の限界が問題となった多くの事例において、対立する諸利益の測定や具体的な比較衡量が行われていることなどが確認された。 以上の点は、この問題に関する日本の望ましい(刑)法解釈論及び立法論の探究という今後の課題に向けて、重要な比較法的研究の基礎を形成し得るものであった。
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