研究課題/領域番号 |
16K03446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
新領域法学
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
森本 直子 昭和女子大学, 総合教育センター, 准教授 (40350425)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 医事法 / 生命倫理 / 人体利用 / 手続保障 / 医事法学 |
研究成果の概要 |
死体利用における手続保障のあり方を検討するために、日米の立法・判例をその通知・承諾要件を中心に検証した。また、外科手技研修を目的とするカダバー・トレーニングと古人骨の研究利用の実務に関わる医学、博物館、文化人類学、考古学の各専門家からの聴き取りを二度の夏季訪米調査において大学・博物館・ラボで実施した。その結果、死体利用にかかる生前の本人や遺族、死者と共通ルーツを持つとされる先住民族コミュニティに至るドナー側関係者に対して保障されるべき手続は、法的要件の整備だけでなく、利用する側・される側の実務レベルでの継続的な対話と協働関係が構築する信頼関係を基盤として確立するものであることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
死体の利用には、法廷闘争や立法による関係者への通知・承諾要件の整備とその実践という法学的ないし「点のアプローチ」による手続保障だけでなく、利用する側と利用される側の継続的な対話と情報共有を通じた信頼関係の(再)構築や教育・啓蒙活動といった、より長期的な「線のアプローチ」による手続保障が必要であることが明らかになった点に学術的意義がある。またこれは、多様な価値観が交錯する複雑な問題領域では、研究者と実務家、異分野の専門家同士、あるいは専門家と一般市民という、通常は交流の少ない、境界を超えた意見交換や協働関係が有益であるという社会的意義を導くものと考えられる。
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