研究課題/領域番号 |
16K03448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
新領域法学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大塚 直 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90143346)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 予防原則 / 科学的不確実性 / 公害 / 環境リスク / 原子力損害 / 差止 / 環境損害 / 因果関係 / 環境訴訟 / 国際研究者交流 / 基準 |
研究成果の概要 |
第1に、環境リスクについては、①観察事実の一貫した理解が存在しない時期、②観察事実の理解がおよそ一貫してくる時期、③観察事実と因果関係の双方に一貫した理解がなされる時期を区別し、③で初めて確率や数値化された幅として不確実性を議論できるとの結論を導いた。また、環境リスクに関する因果関係を事実と捉える立場を採用する。 第2に、原発に関しては、差止訴訟について、予防原則の発想を踏まえつつ、震災、火山など科学的知見が不十分な場合にどう対応すべきかを裁判所も検討せねばならないとの結論を得た。一方、国賠訴訟では、原発の不確実性が国の過失として扱われるが、ハンドの定式の活用が考えられるとの結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な化学物質に対する予防原則の適用について、科学者と法律家が加わって判断基準を構築し、また、過去の公害に関してどの時点で何をすべきであったかの判断を示したこと。原発事故の損害賠償については、国はどの段階で何をすべきであったかを(行為時の)過失の判断の中で検討したことに意義がある。また、自主避難者への賠償の判断基準を示した点。原発差止に関しては、科学的不確実性のある事象に対して裁判所がどう判断すべきかを示した点。環境損害については、先進的な外国法を紹介し、わが国が進むべき途を示した点。 環境リスクに関する因果関係を、要件事実において事実と捉えるべきとの議論を展開し、理由付けを示した点。
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