研究課題/領域番号 |
16K03481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
松森 奈津子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (80337873)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マキァヴェリズム / 君主の鑑 / カトリシズム / スアレス / リバデネイラ / マリアナ / ボテロ / 国家理性 / 君主論 / ヘンリー8世 / サラマンカ / スコラ / ビトリア / トマス主義 / 自然法 / 交通権 / 宗教 / 政治 / イエズス会 / マキァヴェッリ / 反マキァヴェリズム / カトリック / 政治思想 / 初期近代 / サラマンカ学派 / キリスト教君主 |
研究成果の概要 |
本研究は、スアレス、リバデネイラ、マリアナといった思想家が、統治者のあるべき姿を追究する過程で精緻化した「キリスト教君主」論の特質と意義を解明する試みである。具体的には、「君主の鑑」論の系譜とも関連づけながら、マキァヴェリズムに対する彼らの批判的見解を分析し、「善き統治」、「善き信仰」、「有用な統治」を同一視するその理論的特質を明らかにした。それは、国家理性論や主権国家概念の確立期に、これらに帰着しない脱中世型政治共同体の可能性を提示した点で、注目すべき試みであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「キリスト教君主」論は、国内外を問わず、「中世トマス主義の復興」程度にしか知られていない。本研究は、この理論を詳述する本邦で最初の、また国際社会でも数少ない学術研究であり、近代政治秩序の形成過程におけるその重要性を喚起する試みである。同時に本研究は、過去の思想状況の解明のみを目的とするのではなく、「キリスト教君主」論が、国家理性論や主権国家概念に帰着しない脱中世型政治共同体の可能性を追究した歴史的試みであった点に注目する。それは、近代主権に基づく国民国家体制が揺らいでいる今日の議論に対し、拠り所となる思考枠組の1つを提供しうる。
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