研究課題/領域番号 |
16K03537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
熊谷 奈緒子 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授(移行) (10598668)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 和解 / 慰安婦問題 / 事実調査 / 構造的権力 / 謝罪 / 歴史認識 / 赦し / 日韓関係 / 記憶 / 「慰安婦」問題 / 真相究明 |
研究成果の概要 |
本研究は慰安婦問題における和解諸政策(裁判、真相究明、補償、謝罪、記念碑)が、和解に作用反作用した経緯を解明した。裁判はその手続き厳格さゆえの原告救済困難性と同時に被害事実認定の信ぴょう性を持つ。真相究明は、曲解単純化した事実が記念碑などを通じ拡散して和解に反するのみならず、個人責任の所在特定はできない。被害者が被害事実と加害責任の認定に基づく尊厳の回復を求めていることに鑑みれば、真相究明における加害被害の区別の不明瞭さは、被害者側の反発を招く。それは原理化された活動団体や記憶のありようにより悪化する。しかし、和解諸政策はその相互作用を通じて、長期的には加害者側と被害者側の共通理解も広げる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各和解政策はそれぞれに特徴があり、様々な和解政策が相互に補完的にも相克的にも影響をもつ。ゆえに、和解政策においては、政策の弱点の克服、和解過程における導入のタイミング、他の和解策との相互影響について注意深く把握した上で、和解政策を導入しなければならない。 真相究明で、被害者の加害者協力の自発性が明らかな場合、和解はあくまでも被害者の尊厳回復であることが明確化された。 慰安婦問題での諸和解策の20年間、長期的には様々な齟齬や相克も被害の共通理解につながる。ゆえに和解における忍耐強い姿勢の重要性が示される。
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