研究課題/領域番号 |
16K03576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
廣瀬 弘毅 福井県立大学, 経済学部, 教授 (20286157)
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研究分担者 |
吉野 裕介 中京大学, 経済学部, 准教授 (00611302)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 副学長 (80292077)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 新しい古典派経済学 / ケインズ / ハイエク / フリードマン / 資本主義 / ヴィジョン / 新自由主義 / 自由主義 / 規範性 / 経済主体 / 経済理論 / 経済思想 / 異質性 |
研究成果の概要 |
本研究では,「自由主義思想」の主体概念を,同質性と多様性という軸から,再評価することを目的とした。(最近の行動経済学の動きをさておくとして)同質的な経済主体を理論の出発点にするという扱いは,主流派経済学の大きな特徴である。 他方,ケインズは投資家階級,企業家階級,労働者階級の3つの異なる行動原理を持つ主体を前提に理論をくみ上げた。そして,ケインズに対する有力な批判者であるハイエクもまた同じく異質な行動原理をもつ主体を当然のごとく,仮定していた。一方,ハイエクに与するとされたフリードマンはそうではない。このパラドキシカルな状況を学説史,そして比較理論の観点から明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今のコロナ禍を引き合いに出すまでもなく,我々の社会は常に変動と危機にさらされている。ところが,主流派の経済理論は,社会の安定性がどのように同質的な経済主体と市場メカニズムによって担保されているのかを明らかにすることに努めてきた。しかし,今日,主流派と見なされない経済学者の中には,経済の安定性が異質性によって担保される側面と破壊されるという二つの側面を明確に扱ってきた。ケインズの絶対的流動性選好(流動性の罠)などは,その典型例であろう。我々の研究はこういった観点を現代に活かすためのきっかけを明らかにするという意義を持つと考える。
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