研究課題
基盤研究(C)
本研究において次のような点を明らかにした。(1)マーティノゥは古典派経済学の大衆化に成功した『経済学例解』以前のRioters(1827)の時点でリカードゥ経済学原理の3版での機械説同様の議論をすでに提供しており、マーティノゥの経済学における貢献は古典派経済学の普及だけにとどまらず、独自の労働観に基づくものがある。(2)また先行研究で旅行文学に位置づけられている作品に産業論としての内容がある。(3)女性労働について、「同一労働同一賃金」の概念や女性の再生産活動に対する価値評価などに現代経済学への議論的要素が見られる。
ヴィクトリア時代は産業化に伴い人々の暮らしや経済が大きく変化した時代である。特に女性の就業による社会的変化は、「女性問題」を生じさせたが、広く普及してきた古典派経済学にとってこの問題は対応の困難なものであり、発言権や立場が弱い女性たちの声は文筆家や教育者を通して主張された。本研究は市場化の中で、女性の経済的自立が経済発展をもたらす要素となることを早くから主張してきたハリエット・マーティノゥに注目し、その経済思想の全体像を分析することにより現代の女性労働論への展望を模索した。
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