研究課題/領域番号 |
16K03693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政・公共経済
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
板谷 淳一 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (20168305)
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研究協力者 |
Tsoukis Christopher
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ソーシャル・キャピタル / 消費の外部性 / 貧困の罠 / 微分ゲーム / マルコフ戦略 / 部分ゲーム完全均衡 / ソーシャルキャピタル / 非線形マルコフ戦略 / 共有財産の悲劇 / 動学ゲーム理論 / マルコフ完全均衡 / 経済成長 / 社会地位的選好 / 市場の失敗 |
研究成果の概要 |
本研究は、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の存在が、他人の消費と比較してより過剰かつ非効率的な消費費行動(見せびらかし消費などの消費の外部性)を抑制するどうかを考察する動学モデルを構築した。ソーシャル・キャピタルの形成のために多くの時間を割かず、労働供給を増やしてより多く稼得して、消費水準を高めるというフリーライダーのインセンティブがあるので、本研究では微分ゲームを用いて分析した。その結果、将来の割引率やソーシャル・キャピタルの減価速度のパラメーターの大きさによって、ソーシャル・キャピタルの形成が困難な経済と、ソーシャル・キャピタルの形成が比較的容易な2つの経済があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ソーシャル・キャピタルの蓄積は住民の厚生を高めるという結論を得た。住民が将来を重視するほど、ソーシャル・キャピタルの減価速度が遅いほど、労働の不効用の度合いが大きいほど、コミュティの人数が少ないほどソーシャル・キャピタルの蓄積が容易であることがわかった。また、ソーシャル・キャピタル形成ための政策として、コミュニティからの住民の定住率を高めることと、公民館などの交流の場を提供して、交流することの便益を高めることが需要であるという政策的インプリケーションを得た。また、労働の不効用を直接高めることは難しいが、代わりに、消費税の導入によってソーシャル・キャピタル形成を促進することがわかった。
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