研究課題/領域番号 |
16K03739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金融・ファイナンス
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
廣瀬 純夫 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (60377611)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 新株発行 / 情報の非対称性 / 銀行 / スイッチングコスト / 第三者割当増資 / 割当先数 / 地方銀行 / ヘックマン2段階推定 / Fama・French3ファクターモデル / サンプルセレクションバイアス / 自己資本比率 / イベント・スタディ / 時価発行増資 / 地域金融 / コーポレート・ガバナンス / 金融論 / 企業金融 / 法の経済分析 |
研究成果の概要 |
本研究では,銀行が貸出先企業を引受先に第三者割当増資を実施する際,銀行経営者のモラルハザードが動機となっている可能性を確認した.1990年代末から2000年代初頭の金融危機の時期に実施されたケースでは,引受先が数千件から一万件以上に及ぶ場合が少なくない.このような第三者割当増資は,モニタリング効果等を期待できない.実際,一般事業会社では,増資実施決議時の超過収益率と割当先数との関係は負の相関だが,銀行の場合,逆に正の関係にある.また,増資実施後の中期的株価変化は,市場変動を考慮した後で,割当先数が100件を超えるケースでは低下している一方,100件未満の場合,有意な株価変化を確認できなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,1990年代以降,特に地域金融機関の存在意義として重視されてきたリレーションシップバンキングの考え方に基づき,地方銀行による自己資本調達について,分析を行った.その問題意識は,借入先金融機関を変更するスイッチングコストが高い場合,銀行側の交渉力が高くなり,銀行経営者側のモラルハザードに基づく取引を,貸出先に強要する恐れがあるという点である.実際に,1990年代後半から2000年代初めの金融危機の時期に実施された第三者割当増資で,非効率な増資実施の可能性を確認できたことは,今後の,金融機関による第三者割当増資のあり方を考える上で,重要な示唆を与えるものである.
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