研究課題/領域番号 |
16K03778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鷲崎 俊太郎 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (50306867)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 近世 / 江戸 / 利子率 / 土地 / 不動産 / 金融 / 市場 / 抵当 / 大阪 / 米価 / 金利 / 土地市場 / 不動産経営 / 都市 / 家質 / 町屋敷 / 築地 / 中津藩 / 日本経済史 / 近世・近代 / 江戸・東京 / 土地不動産 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,旧幕府引継書の町屋敷史料を素材として,江戸における土地抵当利子率の時系列データを作成し,要素市場におけるその位置づけを明確化させる点にある。その結果,第1に,築地地区の大半の町屋敷では,地主1人あたりの土地所有年数が短く,7~8年に1回転売される土地も存在した。第2に,土地売買価格は,時系列で大きく変動していた。第3に,町屋敷の購入と同時に家質に入れる「持込家質」が少なくなかった。第4に,江戸の金融市場では,景気の上昇局面で物価も利子率も上昇するというメカニズムが作動していたと判断できた。そのため,江戸には大阪とは裁定関係になかったもう一つの金融市場が存在していたと推察される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
江戸の土地市場には多様な投資資金が誘導され,かつ抵当市場との連動による売買市場が活性化されていた。また,今日の証券化のように,小口資金を呼び込む仕組みを欠いていた点で,近世の資金市場としての限界は生じていたが,自己資金準備率を軽減させる制度を汎用させることで,町屋敷の需要を喚起する一助にもなっていた。土地の流動性もけっして低くはなかったが,広域的な地方居住者が江戸の土地市場に参入したわけではなく,土地市場の空間的な限界が大きく立ちはだかっていた点で,同じ要素市場であっても,労働市場とは全く異なっていた。このように,現代日本の土地不動産取引の基礎は,徳川時代に形成されていたと判断できる。
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