研究課題/領域番号 |
16K03860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 (2018) 信州大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
光山 博敏 公立鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (30735634)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | プロパガンダ / 収穫逓増性 / 技術的ケイパビリティ / 組織的ケイパビリティ / システム・インテグレーター / 固有技術 / 歴史的経路依存性 / 通信プロトコル標準化の限界 / 持続的競争優位 / ドイツマイスター制度 / ミッテルシュタント / 知見のオープン化 / 経営学 |
研究成果の概要 |
実際にドイツのものづくりの現場を詳細に点検し、インダストリー4.0の進行状況を 調査していくと、「方針を決定した」や「ロードマップをつくった」というレベルにとどまっており、具体的な事実はほとんど確認することができなかった。また、単に新しい技術やシステム適合にフォーカスし、短期的視点で都度アドホックに経営資源を分配し経営を試みるだけでは持続的競争優位の実現に資する戦略経営は難しく、改めて我が国固有の製造技術的優位性と時間的、空間的に収穫逓増性の利く組織能力(具体的には、システム・インテグレーターの活用方法)を最大化しうる戦略経営の立案および実践が重要であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドイツのミッテルシュタント(中小企業)やマイスターへのインタビューを通じて、インダストリー4.0が実際には破綻していたことを裏付けることができた点に集約される。「インダストリー4.0に乗り遅れるな!」「日本のものづくりは敗北した」、あるいは「製造業は時代遅れ」などのプロパガンダに振り回されるのではなく、実際に現場を歩き、問題の本質をしっかりと捉える作業を丁寧に積み重ねて行くことを怠れば、間違った意思決定によって我が国固有の技術的、組織的ケイパビリティを消滅させかねない由々しき事態を招く恐れがあるということへの警鐘を鳴らすことができた点において、学術的、実務的意義があったと言えるだろう。
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