研究課題/領域番号 |
16K03865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
川村 一真 山口大学, 経済学部, 准教授 (20634736)
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研究分担者 |
藤村 聡 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00346248)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 内部労働市場 / 人的資源管理 / 経営史 / 人事記録 / 賃金 / 学歴格差 / 所得格差 / 人的資源管理論 / 人事の経済学 / 日本的経営 / 教育の効果 / 昇進 / 企業史 / 経営学 |
研究成果の概要 |
1937年の鐘紡の職員の人事名簿を用いて,当時の職員(ホワイトカラー)に対してどのような人事管理が行われていたのか推定を行った.特に1)学卒者と非学卒者の賃金格差,2)戦後日本企業との連続性,3)企業経営の他の要素との適合性の観点から分析した. その結果1)戦後日本企業と大きく変わらない学卒者と非学卒者の賃金格差,および最終学歴によって分断されるような賃金構造ではないこと,2)賃金の主要な決定因が戦後の日本企業と同様であったが,入社直後から差がつく非「遅い選抜」など異なる特徴も確認された.3)既述の賃金構造をはじめとした職員の人事管理と当時の経営戦略,組織の適合性を指摘できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に外部からのアクセスが困難な人事記録を用いて,企業の人事管理の実態を数量的に明らかにする試みは希少である.その上,分析対象の1つである鐘紡は,すでに多角的に当時の経営が明らかにされている.戦略的人的資源管理論では「適合性」が鍵概念であるが,この観点から史料にアプローチすることができ,歴史研究における有効性を検証できる貴重な事例である. また戦前日本企業については,学歴に基づく処遇格差が強調されることが多い.例えば「学歴身分制」である.被雇用者の最終学歴と処遇の序列が対応することを意味する.本研究は多角的にこれを否定する結果を示すとともに,その一般化の可能性も示す.今後の研究が期待される.
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