研究課題/領域番号 |
16K03892
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高橋 宏幸 中央大学, 経済研究所, 客員研究員 (70104718)
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研究分担者 |
青木 英孝 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90318759)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 戦略的コンツェルン経営 / グループ経営の戦略的不全 / エージェンシー費用の削減 / 人的ネットワーク / 多重兼任経営者 / 支配―服従関係 / 統一的指揮 / 契約コンツェルン / 代替的制度的解答 / 多重帰属者 / 兼任取締役 / 有向的人的結合 / ネット価値創出効果 / 取締役会会長の継承性 / 会長指揮の継続性 / 戦略不全 / 準制度的企業関係 / コンツェルン内人的結合 / 合法的・禁止的直接的結合 / 独立社外取締役 / 制度的補完関係 / 間接的人的結合 / 兼任関係 / グループ経営戦略 / グループ内兼担取締役 / 業務執行取締役 / コーポレートガバナンス / 社外取締役 / グループ利益 / 統一的指揮権 / 戦略的コンツェルン / ドイツ・コンツェルン法 / 事実上のコンツェルン / グループガバナンス / トップマネジメント改革 / 兼担取締役 / 再組織化 |
研究成果の概要 |
監査役の複合的ネットワークによるドイツの兼任制度は、エージェンシー費用削減と同様の効果を持つばかりでなく、多重兼任経営者のもとで分離された所有権と処分権の再結合という資本主義制度の根幹に抵触する面が指摘された。また株主利益の追求にではなく資本家と労働者の利害対立の調和のうえに、企業の繁栄を追求し、内部的コントロールと外部コントロールとにコントロールされた複合的兼任経営者は、市場に関連付けられた効率性ではなく、ネットワーク仲間集団による評価基準を行動基準とし、その複合的兼任構造は行為者の知識と能力が束ねられた価値創出システムとなっていることが各種のドイツの実証的研究から結論づけられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
兼任制度に対する否定的なアングロサクソンとは異なり、ドイツの兼任構造は経営力の本質的部分を構成し、戦略的コンツェルン経営の実現に決定的な役割をはたしていることが実証的にも確認された。わが国のグループ経営の戦略的不全の一つの要因として、株主利益を代弁し監視機能に限定された、社外取締役体制にある。ドイツの兼任制度が業界、産業を跨いだネットワークを形成し、広範に社会的関係から知識や情報を取集・活用し、戦略的経営への監視機能に加え助言機能を担っていた。取締役による他企業の監査役兼任によるエージェンシー費用の削減、株主側と労働側の相対立する利害対立の調和の下で企業の繁栄を担っているのが兼任経営者である。
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