研究課題/領域番号 |
16K03903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 正孝 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00123068)
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研究分担者 |
池上 重輔 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (30468855)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 異文化マネジメント / グローバル・リーダーシップ / クロスボーダー・アライアンス / ライアビリティ・オブ・フォーリンネス / レジリエンス / フォーリンネス / 戦略的提携 / 模倣的同形化 / CDEスキーマ / 新興市場 / 共創型モデル / 異文化リーダーシップ |
研究実績の概要 |
29年度は28年度と比べると論文、書籍などの可視化された研究実績は少ないが、最終年度となる30年度の成果に大きく繋がる研究実績が質的に展開された年度であった。 本研究課題の最大のプロジェクトは、日産とルノーの国際戦略提携(英語ではRNA:Renault-Nissan Allianceという)におけるクロスボーダー・インテグレーションに対する異文化マネジメント分析である。過去、アライアンス研究は長きにわたり外部化と内部化の挟間に存在するグレイゾーンの扱いを受けてきたが、近年はM&Aとアライアンスをセットで捉えるべきグローバルビジネス環境が増大しており、本研究課題でRNAのケーススタディに取り組んでいるのも、そうした認識に基づく。 その導入的研究成果は既に28年度から29年度への移行時期に、日本経済新聞社から『カルロス・ゴーンの経営論』として印刷版そしてデジタル版の形式で発刊されている。他方、29年度はRNAがさらに三菱自動車を吸収してRNMA(Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance)へと拡大された。この新展開は、本研究課題のアプローチが正しかったことを象徴するものであり歓迎すべきものである。同時に、リサーチのスコープとレベルが大きくなったため、太田、池上はRNMAのトップマネジメントに対する多重構造的なインタビューをはじめとするフィールドリサーチ活動を積極的に展開することになった。こうした29年度の研究活動から浮かび上がった最大の成果の一つは、「アライアンスはPMIの一形態である」との命題であり、その成果はすでにRNMAのコアを成すRNAの包括的なケースの叩き台として姿を現しつつあり、遅くとも30年12月までにはRNAの世界で初めての包括的かつ詳細なケースが完成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の進捗状況はきわめて良い。28~29年の2年間で、RNA(Renault-Nissan Alliance)の事例研究だけでなく、その根底にあるクロスボーダー・インテグレーションのメカニズムに関する分析が加速度的に進んだ。RNA研究の深さと広さでは世界有数のポジショニングを確保しつつある。具体的にはWhartonのProf. Harbir Singh, Prof. Michael Useem, Prof. Saikat Chaudhuri、Oxford SAID のProf. Jonathan Trevor, National University of SingaporeのProf. Ishtiaq Pasha Mahmood、元IMDで現Western OntarioのProf. Martha Maznevskiと言った世界トップレベルの研究者との継続的な情報交換セッション、共同セミナーの開催、論文共同執筆が進展している。 こうした研究対象と研究プロセスの合致は、クロスボーダー・アライアンスを理解するうえで重要である。M&Aはその4~6割が価値創造に失敗し、7~9割は失敗するとも評価されてきた。とりわけクロスボーダーM&Aに関しては、M&A先進国の欧米においても成功例はきわめて少ない。しかし21世紀のVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)と称されるグローバル競争環境の出現により、クロスボーダーM&Aさらにはその延長線上に位置するクロスボーダー・アライアンスに対するニーズが理論、実務の双方で急増しているが、その解決は研究者自身がそのフロンティアに立つことによって可能となるからである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題がスタートした28年時点では、フィールドリサーチの具体的プロジェクトとして、1)日産・ルノーの国際戦略提携(RNA)、2)ヤマト宅急便のアジア統合戦略、3)電通の英国Aegis買収を梃子にした国際M&A戦略、の3つを幅広に捉えていた。しかし、研究が進捗するにつれて、すでに述べたとおり、RNAの事例研究とその根底にあるクロスボーダー・アライアンスさらにはクロスボーダー・インテグレーションに焦点を定めたものとなり、この方向性は最終年度の30年度においてより明確なものとなる。RNAそして三菱自動車を包含したRNMA(Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance)は、本研究課題が目指す分析対象としてベストだからである。 第一に、クロスボーダー・アライアンスの事例として、理論的分析、実務的分析の双方にとって最も魅力的だからである。第二には、Renault-Nissan-Mitsubishi has become the world’s biggest carmaker” (The Economist, March 17th 2018) と評されるように、日本におけるクロスボーダー・アライアンスの最大の成功事例となったからである。こうした方針のもと、RNAに関する世界で初めての包括的なケースを、日産、ルノー両社の支援を得て完成させるとともに、複数の論文・書物を執筆する。 アライアンスは長きにわたり、外部化と内部化の挟間に位置するグレイゾーン的扱いを受けてきたが、M&Aとアライアンスをセットで捉えるべきグローバルビジネス環境が増大している。特にクロスボーダー・アライアンスの解明は、PMI(Post Merger Integration)に決定的影響を与えるという意味でも、本研究課題の成果は先進的なものとなろう。
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