研究課題
基盤研究(C)
本研究では、企業の税負担削減行動の指標である短期のCurrent ETRと長期のCurrent ETRを利用して日本企業がどの程度税負担削減行動を行っているのかを分析した。分析の結果、短期のCurrent ETRと長期のCurrent ETRの分布に大きな差異はないことが明らかになった。また、Current ETRの低い企業はそれが高い企業に比べて持続性が高いことが明らかになった。これらの証拠は日本企業の多くはCurrent ETRが低い企業であったとしても税負担削減行動を積極的には行っているわけではないということを示唆する。
本研究は日本企業の税負担削減行動の実態を明らかにすることを目的にしている。企業の税負担削減行動の程度を示す指標を時系列で推定し、実際に日本企業の税負担削減行動がどのように映し出されるのか、またそうした行動が税金情報を通じてどのように評価されているのかを分析した。これらの分析によって、確定決算主義や損金経理要件の是非など日本の会計制度が抱える検討課題に対して示唆を得ることができると考える。また、会計利益のコントロールに着目した研究は数多く存在するが、課税所得のコントロールに着目した研究は発展途上であるため、この観点からも学術的な貢献があると考える。
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産業経理
巻: 第77巻第4号 ページ: 62-73
40021467227
會計
巻: 第192巻第1号 ページ: 68-80
40021228978