研究課題/領域番号 |
16K04046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 上智大学 (2018-2019) 北海道大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
今井 順 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (30545653)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 男性性 / 非正規雇用 / 産業的シティズンシップ / 標準的雇用中心主義 / 象徴的暴力 / 限定正社員 / 企業別シティズンシップ |
研究成果の概要 |
日本社会の雇用労働者に求められる最も基盤的な能力は、企業のフレキシビリティの要求に対して応え得ることであった。それはこれまで特に能力として認識されてきたわけではなく、まさに当たり前の、(産業)市民の義務として存在してきたと言ってよい。この規範は日本における支配的男性性と深く重なり、非正規雇用で働く若年男性労働者の社会的承認・アイデンティティに深く影響を与えていた。また同時に、近年の限定正社員の制度化という流れにおいても、この認識と規範はあらためて構造化されており、雇用労働の世界とジェンダーのかかわりは深いまま再生産されていると言ってよい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正規・非正規格差の解消や働き方の多様性の実現が求められている。しかし、本研究の成果は、それらの改革努力が企業別シティズンシップの内包する平等・公正の観念と性別秩序の関連を理解しなければ、結果は常に不平等と排除の再生産につながってしまうことを示している。このシティズンシップの規範は人々の男らしさ(女らしさ)を、職場において期待される能力において強く規定していると同時に、政策過程において言わずもがなの前提となっているなど大きな影響力を持ち続けている。それを認識しなければ、劣位にある人ですら現状の社会構造を再生産してしまい、多様化は階層化として実現してしまうだろう。
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