研究課題/領域番号 |
16K04048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石岡 丈昇 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10515472)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マニラ / 途上国都市 / ジェントリフィケーション / 強制撤去 / スクオッター / 貧困地区解体 / 都市空間 |
研究成果の概要 |
本研究は、フィリピン・マニラで急増する貧困地区解体をジェントリフィケーションの枠組みから分析するものであった。マニラの貧困は、空間的にはスクオッター地区と呼ばれる貧困地域に集積する。近年、スクオッター地区がマニラの経済発展の阻害要因とみなされ、それらの強制撤去が激増している。本研究では、なぜ今日においてスクオッター地区の強制撤去が急増しているのかという構造的条件を、ジェントリフィケーションの枠組みを援用しながら解明した。そして「貧困層のさらなる貧困化」過程が析出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究からは「経済発展によってマニラの都市貧困層の生活が底上げされる」という一般的な主題に対して、それとは逆に「経済発展の過程で新たな困窮が形作られる」点が示されることが、一定程度、示された。たしかに経済発展を通じて、マニラには数々のショッピングモールや高級住宅街が形成され、車道を走る車も外国産の高級車が目につくようになった。だがそれは消費に意欲的な中間層の姿であって、それが全体社会の変化を表しているわけではないことを「貧困層のさらなる貧困化」の事例から捉えることができた。このような観点から、実証的に途上国都市を論じた著作は希有であり、そこに本研究の独創性があると言える。
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