研究課題/領域番号 |
16K04049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玄 武岩 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (80376607)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 森崎和江 / 植民者二世 / 越境 / 連帯の思想 / 在韓日本人女性 / 東アジア市民社会 / 連帯 / アジア連帯 |
研究成果の概要 |
植民地朝鮮に生まれた詩人・作家の森崎和江(1927-)は、植民者二世としての原罪意識を、徹底した自己の否定によるアイデンティティの再生を目指して反芻しつつ、自らの原点に位置づけた。自身の朝鮮体験を追想する『慶州は母の呼び声-わが原郷』を著すのは1984年のことであるが、『からゆきさん』(1976)など一連の著作を森崎和江の「境界論」の生成過程のなかに位置づけ、その思想的軌跡を連続したものとしてとらえることで、「越境する連帯の思想」という、森崎研究における新たな視点を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
朝鮮半島の大邱に生まれた植民者二世の森崎和江は、戦後、植民地で感性を養ったことを「原罪」と受け止めて苦悩する。筑豊でのサークル運動で知られる森崎和江の思想への射程は、これまで労働および性、からゆきさんをテーマにした日本社会の「断層」に向けられてきた。しかし、森崎和江の一連のテクストを「境界」を中心に読み直すと、その連続した思想的軌跡には、東アジアに向けた越境する連帯へと収斂する思索と実践の数々が込められていることが見えてくる。こうした境界破りの越境する思想的課題を日本と韓国で共有できれば、歴史問題で混迷をきわめる両国において加害と被害を越えた連帯のあり方を模索するきっかけにもなりうる。
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