研究課題/領域番号 |
16K04080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕 都留文科大学, 文学部, 准教授 (40534988)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インド / 都市貧困 / 階層移動 / 職業訓練 / NGO / ジェンダー不平等 / 文化資本 / カースト / 若年層 / アイデンティティ / 社会移動 / 中産階級 / 労働と規律 / ジェンダー / 女性隔離規範 / ムスリム女性 / インフォーマル・セクター / フォーマル・セクター / ジェンダー規範 / カースト差別 / スラム / 都市労働市場 / 社会関係資本 |
研究成果の概要 |
本研究はインド、アフマダーバード市を対象に、NGOによる若年層向け職業訓練の社会的影響を検証することを目的にした。報告者は低所得層のムスリムとヒンドゥー居住区にて質的調査を実施した。知見は次のとおりである。第1に、低カーストの男性にとって教育・キャリア達成のシンボルである公務員としてではなく、民間企業への就職が子・親世代間の齟齬を生みだしている。第2に、ムスリム女性にとっては再生産役割や、家族と地域コミュニティに残存するパルダ規範が職業訓練と就職への足かせになっている。第3に、正規社員としての就職が若者の間でインフォーマル経済に従事する隣人や友人との文化的な差異化をもたらした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
途上国都市の研究はこれまで都市雑業層の就労やスラムのコミュニティ形成、貧困層の公共空間からの排除に関するものがほとんどであった。そのなかで本研究はこうした居住区から中等・高等教育そして職業訓練を受け、社会的上昇移動をはたす若年層の文化意識やジェンダー不平等に着目し、変動著しいインドの都市社会の構造と動態を質的調査をふまえて検証した点に特長がある。 途上国のなかでもインドは人口構成上「若い」社会でかつ膨大な貧困層を抱える。低所得層から中産階級への階層移動をめぐっての社会的・文化的障壁、若者たちの階層帰属意識や就職・就労の過程を記録することは民間企業や開発援助にとっても多くの示唆を与えるだろう。
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