研究課題/領域番号 |
16K04091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
植田 今日子 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (70582930)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 災害 / 原発事故 / 放射能 / 畜産農家 / 全村避難 / 伝承媒体 / 生業 / 福島第一原発事故 / 一回性 / 継承 / 避難 / 戦争 / 高齢化 / 非経験者 / 記憶 / 一回性の災い / 記憶の継承 / 継承の困難性 / 寸断 / 家畜の移動 / 類似災害 / メルクマール / 災害経験の比較 / 経験知 / 継承・伝承 / 災害の一回性 / 災害の常習性 / 災害文化 |
研究成果の概要 |
本研究は「常習性の災害」と「一回性の災害」の伝承のあり方について比較考察した。考察の結果、災害伝承は再来の確信次第によって増減・多様化し、災害文化の形成に作用することが明らかとなった。特に1960年のチリ地震津波を「一回性の災害」として被災した沖縄県名護市では、三陸地方のようにその後の再来に備えるような災害文化の醸成はみられなかった。しかし福島第一原発事故を「一回性の災害」として被災した福島県飯舘村、葛尾村の畜産農家らは、彼らの畜産文化が災害文化をむしろ包括するかのように被災状況を克服した。つまり、日々の畜産農家間の共助が原発事故発災時から避難生活中の畜産を6年もの間可能としていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、原発事故や戦争といった一回性の激甚な「災い」は、地域社会の力で太刀打ちできる類いの出来事として扱われない。原発事故や戦争は、地域社会を媒体とするよりは、資料館や博物館を介して、より広義の「後世」に伝承していくことがイメージされる。けれども本研究の特色としては、「一回性の災害」も「常習性の災害」と同様に一定の空間的限定性の中で、かつて現地で平穏に暮らしていた人びとの具体的な文脈のなかで継承されるための可能性を問うている。
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