研究課題
基盤研究(C)
我々の作業仮説は,青斑核から前帯状皮質へ投射するノルアドレナリンが意思決定のモード(目標追跡・習慣)シフトのためのスイッチであり,背側線条体内側部と同外側部の機能的バランスの制御を通じて,この行動機能を実現する,というものである。本研究は,この仮説を検証するために必要な3つの基盤技術,(i)青斑核ニューロンのin vivo活動操作技術;(ii)げっ歯類におけるカテコラミンニューロンのin vivo活動抑制技術;(iii)げっ歯類における意思決定制御モードの評価系,について研究開発をおこなった。本計画は順調に進行し,今後はこれら基盤技術を高度に融合させた行動神経科学の実験が可能となった。
中枢ノルアドレナリン(NE)系の活動操作のための基盤技術開発に成功し,今後はこれらを有機的に統合した仮説検証が可能になった。青斑核ニューロンの活動性が中程度の場合(生理的な条件),背側線条体内側部の機能が同外側部に比べて亢進し,意思決定は目標追跡モードで制御される;青斑核ニューロンの活動が高い場合と低い場合の両者(急性ストレス負荷時,あるいは慢性ストレス負荷の結果としてNEシナプス伝達がブレークダウンした状態)で背外側線条体は機能亢進を示し,意思決定は習慣モードに偏移する,と予想される。今後の仮説検証の過程で,意思決定に異常をきたす複数の疾患に共通した病態解明と,新たな治療法開発が期待される。
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