研究課題/領域番号 |
16K04430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
菅 理江 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10342685)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 初期学習 / 記憶 / 刻印づけ / 学習 / 刻印付け / ヒヨコ / 記憶の固定化 |
研究成果の概要 |
刻印付けは、孵化直後の短時間の対象への暴露で成立するが、その固定化のプロセスは8-10時間後に、学習獲得に必須の部位であるintermediate and medial mesopallium(IMM)での神経可塑性を伴う反応と関連している。Fosタンパク陽性細胞の検出によって確認されたこの現象は、主に左側のIMMで起こることがわかっているが、右のIMMにおいても、この時期に陽性細胞の増加が左側よりも遅い時間帯に起こる傾向が観察され、この増加は学習強度との関連性は見られなかった。また新奇刺激を提示することによる干渉効果は各刺激への走行距離の変化によって観察することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
刻印付けは生得的なバイアスを基盤とした初期学習であり、人間の発達期の記憶や言語獲得などの臨界期をもつ学習メカニズム解明の基盤となる。さらに発達初期の経験(発育環境)が潜在的に成熟後の行動に影響を与えるメカニズムの解明は社会性の発達などヒトの豊かな育成という側面の基礎的な知見が得られる。 本研究の成果は初期学習の獲得と固定化のプロセスがある程度並行的に処理されており、新奇刺激による干渉効果も訓練刺激への偏好を強く抑制するものではなく、刺激それぞれに対する処理が進んでいくメカニズムを示唆している。これらの結果はより一般的な短期記憶から長期記憶への並行処理のメカニズムの理解にも役立つと考えられる。
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