研究課題/領域番号 |
16K04932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 裕文 九州大学, 理学研究院, 教授 (80191831)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 巨大磁気熱量効果 / 熱伝導 / 磁気冷凍 / 一次相転移 / 熱伝導度 / 磁気熱量効果 / 磁性 |
研究成果の概要 |
本研究では巨大磁気熱量効果を示す磁気冷凍材料について,熱伝導度の温度依存性を調べた.まず巨大磁気熱量効果を示すMn化合物の試料作製条件を吟味し良質な試料を作製した.その結果,(MnFeRu)2(PSi)化合物でキュリー温度を2-3 ℃の間隔で制御することに成功した. 熱伝導度の温度依存性を測定したところ,最初の降温時にキュリー温度で,熱伝導度が急激に減少した.これは一次相転移でクラックが発生し,電子による熱伝導が極めて小さくなるためである.しかし一度クラックが入ると,その後の熱伝導度は同じ値になる.また昇温時にはキュリー温度で小さなこぶのような異常を示すが,この原因についても明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は巨大磁気熱量効果を示すMn化合物について良質な試料を作製する最適条件を得たことと,熱伝導度の値が室温で2 W/m K程度であることを明らかにしたことである.前者は材料開発に,後者は磁気冷凍システムの開発に重要な情報を与えるものである.また,学術的な意義としては,熱伝導に対する格子,磁気,電子の寄与の温度依存性を考察することにより,一次相転移を示す磁性体のキュリー温度近傍の熱伝導異常に初めて物理的な説明を与えたことである.これは一次相転移を示す磁性体一般に適用できるので,その意義は大きい.
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