研究課題/領域番号 |
16K04954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
結晶工学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小沼 一雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70356731)
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研究分担者 |
山越 康雄 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20182470)
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研究協力者 |
飯島 まゆみ
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人工エナメル質 / アモルファスナノ粒子 / 圧縮成形基板 / アパタイト / 相転移 / 選択的方位結晶成長 / 人工象牙質 / リン酸八カルシウム / OCP / フッ素イオン濃度 / 象牙質再生 / 基板成形圧力 / エナメルタンパク質 / 骨代替材料 / フッ素イオン / geometrical selection / ナノロッド型結晶 / 一方向配向 / 結晶成長 / 結晶工学 / 生体材料 / 歯学 / 再生医学 |
研究成果の概要 |
アモルファスリン酸カルシウムのナノ粒子(直径80nm以下)を圧縮成形基板とし、それをリン酸カルシウム溶液に浸漬するだけの簡単な手法で、基板上に人工エナメル質の厚層(数10ミクロン以上)を迅速形成することに成功した。形成した層は、太さ数十~数100nm、長さ数ミクロンのアパタイトナノロッド結晶が一方向に配列した自然歯エナメル質と全く同等の組織からなり、結晶の平均Ca/Pモル比もエナメル質アパタイトに酷似していた。また、基板として用いたアモルファスナノ粒子は相転移によりアパタイトナノ結晶へと変化するが、その形態及び化学組成は自然歯象牙質と同等であった。本手法により、歯の迅速再生の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の虫歯治療法は、う蝕領域を削って高分子(レジン)を充填するものである。同手法の最大の欠点は、充填物と歯を構成するアパタイト結晶との物性の相違により、接着部分に経時的に隙間が生じて二次う蝕が発生することである。この問題を根本的に解決するには、修復領域にエナメル質あるいは象牙質と同等の組織を作るしかない。我々はアモルファスリン酸カルシウムナノ粒子を用いて、エナメル質および象牙質類似組織を迅速形成することに初めて成功した。 本手法は細胞を全く使用しないため、極めて安価且つ簡便にう蝕部分を修復できる。ヒトの歯と完全な同等物による修復は「歯の再生」であり、今後の歯科治療を根本的に変革する可能性を持つ。
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