研究課題/領域番号 |
16K04977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
光工学・光量子科学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
伊藤 哲 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (70425099)
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研究協力者 |
村松 弘基
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 電子スピン / 正孔スピン / スピン間相互作用 / 結合量子井戸 / スピン重ね合わせ / z偏光 / スピン偏極 / 量子井戸 / 量子エレクトロニクス / スピンエレクトロニクス / 光物性 |
研究成果の概要 |
偏光時間分解ポンププローブ測定法により,結合量子井戸(CQW)中の正孔のスピン緩和を考察した.測定結果から二段階のスピン緩和が確認できた.CQW幅15 nm井戸での長い緩和時間は温度とともに増加したことから,DP効果に従う電子スピン緩和時間であること,CQW幅10 nm井戸での長い緩和時間は温度増加に対して減少傾向が見られることから,価電子帯のバンドミキシングの影響を受けた正孔スピン緩和時間であることが分かった.通常の量子井戸では十数ピコ秒程度の正孔スピン緩和時間が,電子スピンの影響を弱くしたCQW幅10 nm井戸中では200 ps程度まで長くなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光学的手法で半導体量子構造体における電子状態を制御・観測し,電子スピンを積極的に工学分野へ応用しようとする試みが国内外で活発化している.これまでの研究では半導体量子構造内の電子スピンの挙動やスピン間に働く相互作用を解き明かすためには外部磁場の印加が必要不可欠であった.光パルスによって電子スピンを任意の方向へ生成,制御することで,従来の外部磁場によるスピン操作では達成出来なかった空間制御と高速応答を実現でき,半導体中のスピンを量子ビットとして用いる量子情報素子への応用が期待できる.本研究成果によりえられた正孔のスピン緩和に関する結果は,任意の方向へのスピン生成のために重要な知見である.
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