研究課題/領域番号 |
16K05015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
量子ビーム科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間嶋 拓也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50515038)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 高速重イオン / イオンビーム / 生体分子 / 微小液滴 / 分子解離 / 多重電離 / 質量分析 / 量子ビーム / 放射線物理 / 放射線化学 |
研究成果の概要 |
MeVオーダーの高速重イオンと生体分子の複雑な反応初期過程の解明を目的に,気相と溶液中の異なる環境下における生成イオン種の比較と,解離ダイナミクスに関する実験的研究を行った.気相実験では,多重電離度合いに依存した解離過程を明らかにした.液滴を用いた実験では,装置の改良により安定かつ高密度な真空内液滴標的を構築し,微量な生成イオンの分析を実現した.さらに同時計測技術を駆使することにより,液滴表面からの生成イオンを選択的に検知する手法を確立した.純エタノール液滴による原理実証を経て,グリシン分子に対する気相実験と水溶液滴に対する結果の比較を行い,その違いを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重イオンビームは生体に対して特異な照射効果を与えることが知られており,その反応機構の分子レベルでの解明が求められている.重イオン衝突においては,多重電離の寄与が重要になると予想されるが,これまでその詳細は不明であった.本研究によって,その基礎となる孤立分子の反応過程を明らかにした.また,実験の難しい液相標的に対する測定手法を確立し,反応生成物イオンを捉えることができるようになった.例として,負イオンの生成物について,各種の特徴的な生成イオンが検出された.今後,生体内で高速重イオンが誘起する一連の反応をシミュレーションするための出発点となる基礎的な情報を提供するものである.
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