研究課題/領域番号 |
16K05019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
量子ビーム科学
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
篭島 靖 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (10224370)
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研究協力者 |
高山 裕貴
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | X線顕微鏡 / 放射光 / X線光学 / X線ナノビーム |
研究成果の概要 |
顕微鏡には分解能Rと焦点深度Dの間に回折限界の縛りがあるが、これを緩くすることを目的とした。光学素子としてはZone Plate (ZP)の変形タイプを考えた。ZPのRとDは最外線幅(dr)で決まる。ZPには正と負の区別がある。この2つのZPの集光強度分布は全く同じだが振幅は逆位相である。複合ZPは1次回折ZPの外側に3次回折ZPを配置し、集光効率とRの向上を狙うものである。正・負、複合の構造を組合せることにより、X線エネルギーEが10 keVでRをdrで決まる値の7%増しに抑えつつDを約2倍にできる解を見つけることができた。Eが8~12 keVの範囲でもこの性能が保たれることも確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射光が広く利用されるようになり、ZPや全反射ミラーなどのX線光学素子の進歩も相俟って、サブ100 nmの分解能Rが比較的容易に得られるようになり、局所分析やX線顕微鏡の実用性とニーズが高まってきている。集光光学系の基本原理として、より小さいRを得ようとすると焦点深度Dはより浅くなる。すなわちRを小さくすることとDを大きくすることは同時には達成できない。Rを損なわずにDを大きくできないことは、厚い試料を高い分解能で観察することは原理的に困難であることを意味しており、実材料の分析において試料の厚さを制限することになる。本研究はX線分析の実用性の向上に資するものである。
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