研究課題/領域番号 |
16K05026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
量子ビーム科学
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
平出 哲也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (10343899)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 陽電子 / 量子ビーム / ポジトロニウム / イオン液体 / 室温イオン液体 / バブル / 振動 / ポジトロニウムバブル / バブル振動 / 三重項ポジトロニウム / 陽電子消滅率 / オルソーポジトロニウム |
研究成果の概要 |
陽電子と電子の結合状態であるポジトロニウム(Ps)は液相中でサブナノバブルを形成する.室温イオン液体(IL)中においてはこのバブルのGHz振動を,三重項Ps消滅率の振動として捉えることができ,この振動周波数の温度依存性,イオンサイズの依存性を調べた結果,バブルの大きさと振動周波数には相関は無く,融点からの温度のみに依存した.その結果,振動はIL中のイオン同士の間のクーロン力で構成された固い構造によるものであることがわかった.これは,陽電子消滅手法がIL中のクーロン力で構成されたナノ構造の評価を可能することを示している.また,液面に存在する構造が融点よりも100℃程度上でも存在することも示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
室温イオン液体(IL)は多くの分野で利用されており,その微視的構造はその機能性に大きく関係しており重要である.陽電子と電子の結合状態であるポジトロニウム(Ps)は液相中でサブナノバブルを形成し,通常その大きさは液体の表面張力に依存することが分かっているが,IL中ではバブルの形成機構が大きく異なり,IL中のイオン同士がクーロン力で強く結合した固い構造の大きさに依存することが明らかとなった.これは陽電子消滅法によってILの微視的な構造を直接観測できることを示したものであり,新しいILの研究を可能とする.また,液面の構造変化も観測することが可能であり界面における種々の作用の機構の研究が可能になる.
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