配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
研究実績の概要 |
1990年代に和田昌昭氏との共同研究で得た曲線の Schwarz 微分は数あるSchwarz 微分の一般化の中で,射影微分幾何におけるミッシングリンクであることが明らかになってきた.昨年度 Laguerre 幾何を用いた L-変換と名付けた幾何学変換を用いて閉曲線 x の共形不変な長さ l(x) を得た.当初この理論は高次元化してその意義がはっきりするであろうと考えたが,実際は1次元での考察が本質的であることが明らかになってきた.具体的な結果:(1) ユークリッド球面 S^n の閉曲線 x に対して l(x)≧2π.等号は x が正円の時に限る.(2) 多様体 M の次元は3以上とする.共形類 C に付随する Weyl のゲージ理論に関してゲージ不変な Schwarz 微分 s_w x が定義できる.(3) Laguerre 幾何的変換を用いることなく,この Schwarz 微分を用いて閉曲線 x の共形的長さ l(x) が定義できる.(4) 共形不変量 l(M,C)=inf{l(x)| x:S^1 -> M} について一般に l(M,C)≦l(S^n). (1), (4) から l(M,C) と山辺の共形不変量 μ(M,C) に明白な類似性がある.予想: l(M,C)=l(S^n) ならば (M,C) = S^n.いわゆる山辺の問題の解決において最後の壁となったのはμ(M,C) に対する同様の命題であった.しかしこの予想は山辺の問題とは異なるアイデアが必要となるであろう.(M,g) がコンパクト階数1対称空間の場合 (M,[g])に対してこの予想は正しい(2013年論文),また C が Einstein 計量を含む場合に予想を支持する結果を得た. 射影微分幾何での対応するゲージ理論および新たなSchwarz微分により射影微分幾何の新たな基礎付けを得た.
|