研究課題/領域番号 |
16K05266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学基礎・応用数学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
稲葉 寿 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (80282531)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 構造化個体群 / 基本再生産数 / 感染症数理モデル / 閾値現象 / SIRSモデル / 人口転換 / 年齢構造化個体群 / 一次同次性 / 人口数理モデル |
研究成果の概要 |
(1)ケルマック・マッケンドリック再感染モデルに対して、劣臨界分岐の存在条件を明らかにした。(2)多状態年齢構造化SIR感染症モデルに対して,非自明定常解が大域的に漸近安定となるための十分条件を示した。(3)人口転換過程を感染症数理モデルとして定式化して,人口転換が起きる条件をいくつかの再生産指標を導入することで定式化し,二つの出生力が共存する成長軌道が存在することを示した。(4)空間拡散項をもつ年齢構造化SIS感染症モデルに対して,劣臨界では自明定常解が大域的に安定であり,優臨界では,エンデミックな定常状態が一意的に存在して大域的に安定であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、とくに再感染現象を含む感染症数理モデルにおける閾値現象と一般化された変動環境における基本再生産数と世代推進作用素の役割の解明等に焦点をあてて,ケルマック・マッケンドリック再感染モデルにおける分岐現象,多状態SIR型年齢構造化モデル,人口転換の感染症モデル,空間拡散のあるSIS年齢構造化モデルなどの閾値現象を検討した.これらは感染という普遍的な非線形力学の基本構造と,それが個体群動態に対して持つ意義を明らかにするという点で基本的な貢献である.感染症の制御は現代社会の基本的課題であり,基本再生産数理論にもとづく感染症数理モデルは効果的な感染制御政策の策定にとって不可欠なツールである.
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