研究課題/領域番号 |
16K05317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 雅司 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (20270556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミュー粒子 / 異常磁気モーメント / QCD / 格子ゲージ理論 / 数値シミュレーション / ミュー粒子異常磁気能率 / ミュー粒子の異常磁気能率 / 光-光散乱振幅 / 異常磁気能率 / 光光散乱 / 光-光産卵振幅 / 素粒子論 |
研究成果の概要 |
ミュー粒子の異常磁気モーメントは素粒子理論で原理的に予言可能な量である。現時点での素粒子の標準模型は、陽子などの原子核を、クォークとグルーオンによる「強い相互作用」のゲージ理論(QCD)で記述する。磁気モーメントに対する素粒子模型と実験値との精密な比較を果たすためには、QCDからの影響を定量的に評価することが必須である。本研究では、QCDの寄与のうち、純粋に理論的な分析を要する寄与に関して数値シミュレーションによる結果を世界に先駆けて提示した。その結果、素粒子標準模型によるミュー粒子の異常磁気モーメントの理論値における潜在的な不確かさを削除するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミュー粒子異常磁気能率(muon g-2)の実験による測定値と既知の素粒子構造による理論値の間には「ずれ」が窺われる。 理論値はQCD(陽子などの原子核を形成する力の理論)が光-光散乱振幅を介してmuon g-2に及ぼす効果(HLbLの寄与)を含む。QCDのモデル計算でしか計算できなかったHLbLの寄与の大きさはずれと同程度であるため、ずれが新素粒子構造の存在に由来する点を断定できなかった。 本研究はQCDによるHLbLの寄与の理解を世界に先駆けて実現してこの難点を解決した。改定後の理論値は2021年に発表されたmuon g-2の次世代実験の測定値と比較され、未知の素粒子構造の存在を示唆した。
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