研究課題/領域番号 |
16K05346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
阿武木 啓朗 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (70378933)
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研究協力者 |
仲野 英司
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | QCD物性 / カイラル結晶 / 強い相互作用 / カイラル密度波 / 中性子星 / 核物質 / パリティ二重項モデル / カイラル不変質量 / カイラル非一様相 / クォーク物質 / 高密度 / 強磁場 / 強相関クォーク物質 |
研究成果の概要 |
中性子星のコアは極高圧の状況下で、極めて高密度の物質が存在する。そこでは、中間子凝縮相、カラー超伝導など、多種の物質相が提案されている。本研究では、その可能性の1つであるカイラル結晶相に着目し、中性子星に存在する磁場など環境変数を含め、その発現条件について検討を行なった。具体的に実施したのは次の2つである。 1)飽和核物質を再現するパリティ二重項核子モデルを採用し、低密度側からカイラル結晶相にアプローチし、標準核密度の5倍程度で結晶相への転移が起こることを示した。 2)QCDの三重臨界点からカイラル結晶相にアプローチし、任意強度の磁場によって双対カイラル密度波が安定化されることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中性子星の内部で実現すると考えられている密度領域において、双対カイラル密度波がたしかに実現しうることを示したことで、この新奇な相の天文学的帰結を探求する動機を提供したという点で、学術的意義は大きい。また、クォークの質量がゼロという極限の仮想的状況においてQCD相図上に存在することが強く示唆されている三重臨界点の近傍に、磁場という触媒によって磁場誘起型双対カイラル密度波が安定化する領域が広がることが示されたことで、研究は原始中性子星や連星中性子星合体等の物理を探求する段階に入ったと言える。はっきりとした今後の研究の方向性を与えたという意味で学術的意義は大きい。
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