研究課題/領域番号 |
16K05352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 一介 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (50346764)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ノックアウト反応 / 多核子相関 / 2核子相関 / 独立粒子描像 / 魔法数 / 歪曲波インパルス近似 / αクラスター / 微視的反応論 / S因子 / 核子ノックアウト / α相関 / 多核子ノックアウト / 核内2核子間相互作用 |
研究成果の概要 |
原子核から1つの陽子または中性子(纏めて核子)をたたき出す反応を系統的に分析することにより、様々な原子核の中で、核子がどの程度独立して振る舞っているかを明らかにした。核子の独立性と原子核の安定性(秩序)は強く結びついており、この研究から、原子核を安定化する核子の数(=魔法数)を決定することができる。陽子と中性子の数のバランスが崩れた原子核の魔法数は未解明であったが、実験グループとの連携により、28個の陽子と50個の中性子をもつニッケル78原子核が特筆して安定な原子核であることを示した。また、原子核内におけるα粒子(ヘリウム4原子核)の発達度とα粒子をたたき出す反応の関係を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子核という核子多体系の性質を理解する上で最も重要な指標として、核内核子の独立粒子性と、その帰結として現れる魔法数(原子核が安定化する核子の数)がある。中性子が過剰な原子核の魔法数を決定することは、核子多体系に対する理解を深める上でも、また、宇宙元素合成の実態解明のためにも極めて重要である。ニッケル78原子核があらゆる原子核の中でもひときわ安定な二重魔法核であることを示した意義は大きいと考えられる。また、独立粒子性を崩す原因である核子相関の証左として、原子核中に発現する2中性子ペアやα粒子の数(実効数)に着目し、これを実験で観測する方法を確立したことも、本研究の重要な成果と考えられる。
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