研究課題/領域番号 |
16K05386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
近藤 敬比古 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (30150006)
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研究協力者 |
音野 瑛俊 九州大学, 先端素粒子物理研究センター
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 素粒子物理実験装置 / シリコン半導体飛跡検出器 / 放射線損傷 / ヒッグス粒子探索 / シリコン飛跡検出器 / 素粒子実験測定器 / シリコン半導体検出器 / 素粒子実験 / 測定器技術 |
研究成果の概要 |
スイスのCERN研究所ではLHC加速器を使って陽子衝突現象の中から新粒子や新現象を観測する実験を行ってきた。2012年にはヒッグス粒子が発見された。アトラス実験装置の中心部に設置された4000台のストリップ型シリコン半導体検出器は放射線のため性能が変わる。この放射線損傷の進行具合を継続モニターし運転条件の最適化を図ってきた。検出器のリーク電流の経年変化はほぼ予想どおりに進行していることがわかった。全空乏化電圧は測定が難しかったが、各種観測結果は予想より速く進行しているようだ。2023年までの運転状態を予想した結果によると運転に大きな支障がないことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1990年代にほぼ確立したシリコン半導体検出器の放射線損傷モデルは、少量サンプルを強いビームで短期間に行ったテーブルトップ実験に基づいている。放射線損傷のアニーリングなどはセンサー温度を上げて加速させた結果によるものである。本研究はそれとは対照的に、4千台という多数の実機で、10年以上の長期にわたって、単位時間当たりの放射線量は低い状態で、放射線損傷の進行具合を測定し放射線損傷モデルとの詳細な比較を行った。経験した研究法と、放射線損傷モデルの有効性の検証は、将来より強い放射線環境下で使われるコライダー実験の検出器の設計や運転に有意義なインプットとなり、重要な素粒子実験技術を発展させる。
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